無痛分娩とは?メリットやデメリット、計画分娩の流れ、硬膜外麻酔の合併症や副作用、費用など詳しく解説!

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無痛分娩とは?

麻酔を使用して痛みを和らげながら経膣分娩を行うこと

麻酔の方法は一般的に硬膜外麻酔という方法で行われます。

WHO(世界保健機関)でも推奨されており、

先進国では多く行われています。

フィンランドでは約90%、フランス約80%、アメリカ約80%、イギリス約60%、カナダ約60%、スウェーデンやベルギーで60〜70%、イスラエル約60%、シンガポール約50%、韓国約40%、中国約10%などと、国により状況は異なりますが、世界的にも普及してきている分娩法と言えます。

日本ではいまだ少数派であり、最新データである2020年の実態調査では病院・診療所での出産の8.6%の無痛分娩率でした。

これでも2007年には2.6%、2016年には6.1%と上昇傾向になっています。

ではなぜ日本は、無痛分娩の普及率が低いのか?

そこには様々な理由があります。

ヨーロッパやアメリカでは、無痛分娩が広く普及している背景に、無痛分娩に医療保険が適応されるため、自己負担を考えずに選択することができます。そのため、費用の上乗せの心配をしなくても無痛分娩ができるのです。

日本では、無痛分娩を選択する場合は分娩費用にプラスして無痛分娩の費用が上乗せされ、希望した人は完全に自己負担となります。

そしてマンパワーの問題も大きく隠れています。

海外では、無痛分娩は病院などの麻酔科医が常勤でいる場所で出産する分娩の集約化をされていますが、

日本では病院や診療所(産院)など様々な分娩機関があり、そのため産科麻酔を担う麻酔科医が不足しています。

また無痛分娩は分娩所要時間により、長いと10時間以上分娩の時間がかかり、麻酔の管理が必要となります。

日中は無痛分娩が可能でも夜間の人員確保が難しく、24時間無痛分娩が可能な施設は少なく限られてきます。

また、首都圏は医師が多いですが、地方に行くと医師の人数も少なく、無痛分娩を実施したくでも安全性を考えてできない状況にある施設もあります。

このような状況のため、日本の無痛分娩率はなかなか上昇しないのです。

しかし出産は、陣痛が来て子宮が収縮し、痛みが生じます。また、赤ちゃんが骨盤や産道を通過することによりかなりの痛みが生じることになります。

「鼻からスイカが出るほど痛い」

「ハンマーで殴られて腰が砕けるような痛み」

「生理痛の100倍の痛み」

なんていう表現をよくしますよね。

この陣痛の痛みはお母さんにとって大きな負担となるのです。

日本ではなぜか「陣痛を降りこえて母になるもの」「陣痛を経験することで子供への愛情が高まる」などという昔からの根強い意識があります。

無痛分娩をやりたくても、家族に反対されるなんてこともあるようです。

しかし私自身、助産師として多くの無痛分娩を経験されたお母さんと出会ってきましたが、

痛みを乗り越えなくても、母になれ、わが子への愛情も変わりません。

逆に、出産をポジティブなものとして考えられたり、産まれてくる瞬間を落ち着いて過ごすことができたり、

産後も疲労困憊にならずに赤ちゃんと過ごすことができたりと、素晴らしい側面がたくさんあります。

ですので、この記事を見て少しでも出産の考え方、無痛分娩の選択肢について広がるきっかけになれたらと思います。

無痛分娩のメリット・デメリット

無痛分娩はメリットもあればデメリットもあります。どちらも理解した上で選択しましょう。

<メリット>>

・強い痛みを伴う陣痛に耐えなくてもいい

・穏やかな気持ちで過ごすことができる

・赤ちゃんが生まれてくる様子を落ち着いて見ることができる

・赤ちゃんがゆっくり産まれてくることができるため会陰や膣がよく伸び、出産の傷が少なく済む

・会陰や膣が切れてしまった場合に縫い合わせる時の痛みがない

・分娩中に急に赤ちゃんの状態の悪化やお母さんの血圧が上昇するなどの理由で緊急帝王切開となった際に、無痛分娩で使用している麻酔の方法で手術することができるため、できるだけ早く赤ちゃんを出すことができる。

・陣痛の疲労がないため、産後の回復が早い

<<デメリット>>

・麻酔中は食事をとることができない

・麻酔の影響で陣痛が弱くなりやすく、出産が進みにくいため、麻酔を弱めたり中止をしたり、陣痛促進剤を使用しなければならなかったり、吸引分娩や鉗子分娩などで赤ちゃんを引っ張り出す必要が出てくる場合がある

・麻酔を長時間使用していると、お母さんが発熱する場合があり、解熱剤の使用や点滴で水分補給をする場合がある

・麻酔のチューブが途中で抜けてしまったり、麻酔が途中で効きにくくなる場合がある。その場合はカテーテルを入れ直したりすることがある。

・腰部痛や背部痛があることがある

・痒みや血圧低下、頭痛、稀ではあるが局所麻酔中毒、全脊髄くも膜下腔麻酔などの合併症や副作用を引き起こすことがある

無痛分娩の出産はどんな方法?

麻酔の方法は硬膜外麻酔という方法で行います。

硬膜外麻酔は背骨の中にある脊髄のすぐ近くの硬膜外腔という場所にカテーテルという細い管を入れてこのカテーテルから麻酔薬を入れて痛みブロックしを軽くしたり無くしたりする方法です。

硬膜外麻酔は出産だけでなく、通常の手術や術後の痛み止めとしても使用されています。

出産で使用する場合は、腰骨付近の背骨にカテーテルを入れます。

硬膜外カテーテルを入れる際の様子

カテーテルを入れるときは、背中を猫のように丸く横向きの体育座りをするような姿勢で行います。

消毒後に局所麻酔(痛み止め)の注射をし、その後にカテーテルを挿入します。(10分前後)

カテーテル挿入中は、血圧が低下することがあるため、血圧計を巻き適宜血圧測定が行われます。

また、赤ちゃんも元気な状態であるかを把握するためにNSTやCTGというお腹にモニターを装着した状態で行います。

カテーテルが無事に入ったら、仰向けに戻り、テストの麻酔薬(うすい麻酔薬)を使用して麻酔の効果を確認します。

痛みがある場合は痛みが少しずつ消えてくるのがわかります。

麻酔薬を入れてから15〜30分後に効いてきます。

痛みがない場合はコールドテストといい、冷たい感覚の有無で確認します。

消毒綿やアイスノンを体に当てたときに冷たい感覚がしなければ麻酔がしっかり効いている証拠です。

また、この麻酔が効いてくるときに血圧が低下したり、その他の合併症が生じてこないか確認します。

正味30〜40分前後で硬膜外麻酔のカテーテルを入れ、安全に麻酔が使用できるかどうかを確認していきます。

出産で使用する硬膜外麻酔は下半身にのみ効く麻酔になります。

お腹や腰、外陰部などの痛覚や温度感覚が鈍った状態になります。足には正座をした後のようななんとなく痺れている感じや温かい感じがあります。

しかし、基本的に足などは動かすことができます。

またお腹が張る感じ(子宮収縮)や赤ちゃんが降りてくる感覚により、いきみながら出産をしていきます。

痛みの感覚は個人差があるため、生理痛様の痛みは生じる場合があります。

トイレに行く場合は、足に力が入りにくかったり、痺れていたりなどにより転倒の危険があるため、

カテーテルで尿をとっていきます(導尿)

麻酔が効いている場合は導尿も全く痛みを感じません。膀胱に尿が溜まっていると赤ちゃんが降りてくる妨げになることがあるため、2〜3時間おきに導尿を実施します。

無痛分娩中は基本的に食事を食べることができません。

帝王切開となるリスクや、麻酔の合併症により嘔吐などをする場合があるため、食事摂取は控えておきます。

お水・お茶・スポーツドリンクなどの水分は許可している施設が大半です。

無痛分娩中は出産が進んでいるときは、特に痛みは感じないため、

ベッド上でテレビを見たり、会話ができたり、本を読んだり、眠ったりなど好きなことをしながら過ごしています。

出産が進んでくるときに、痛みが出てきたり、破水感や圧迫感などが出てくることがあります。

その際に診察をしながら出産の進み具合を確認します。

いよいよ子宮口全開大(10cm)となったら、分娩台でいきんでいきます。

いきみ方は、お腹の張りや圧迫感があるときに合わせていきんでいきます。

分娩台にはレバーがあるためそのレバーを持ち、上体をやや起こしお臍を覗き込むような姿勢でいきんでいきます。

いきむときの呼吸は、いきむ直前に深呼吸をし、大きく吸った後息を止めて、硬いお通じを踏ん張るように力を入れていきみます。

助産師や医師と何度か行っていくと上手くできるようになってきます。

無痛分娩では赤ちゃんの下りがゆっくりな場合があるため、特に初めての出産の場合は何度も何度もいきんでいきます。ここが無痛分娩の頑張りどころです!いきみの力だけでは難しい場合は吸引分娩や鉗子分娩という赤ちゃんを引っ張り出す器械で出産となる場合があります。

赤ちゃんの頭が3分の1出たところでいきむのは終了し、助産師が赤ちゃんを支えながら、赤ちゃんが誕生してきます。

赤ちゃん誕生後は、胎盤が娩出され出産は終了となります。

出産の影響で会陰や膣などに傷ができてしまった場合は、医師により傷を縫合していきます。

その際も麻酔が効いているため痛みがなく傷の処置をすることができます

傷の縫合終了後、または出産1〜2時間後に麻酔のカテーテルを抜いていきます。

カテーテルを抜く際は、一瞬で痛みもなく終了します。消毒をし背中に絆創膏が貼られます(次の日外してOK)。

産後2時間はこまめに産後の出血や血圧などをチェックします。

産後2時間以降に麻酔の切れ具合を確認し、トイレなど歩行することができます。

♦︎計画無痛分娩の場合♦︎

妊婦健診受診時に医師と出産の予定を妊娠37週以降で決定します。

子宮口が開いてきているなど産まれやすい時期を内診にて予測しながら決定される場合もあります。

出産前日もしくは当日に入院し、事前に硬膜外麻酔のカテーテルを入れておきます。

子宮の入口がまだ開いていない場合は出産前日にミニメトロなどを使用し子宮の入口を人工的に開かせる場合があります。

その後、陣痛促進剤を使用し出産を進めていきます。

陣痛促進剤についてはこちらから!!!

♦︎自然の陣痛での分娩の場合♦︎

自然に陣痛が発来し、その後に出産施設に入院し、硬膜外麻酔のカテーテルを挿入します。

陣痛が来始めているため、麻酔が入るまで痛みを伴う場合があります。

また、自然の陣痛は麻酔が効いてくると弱くなる場合があるため、途中から陣痛促進剤を使用する場合があります。

出産施設により、24時間麻酔を管理するマンパワーがない場合、日中のみしか無痛分娩ができないなど制限がある場合があります。24時間対応していない場合は、マンパワーがない時間は自然分娩(痛みを伴う出産)となる場合があります。

出産の痛みってどんな痛み?

陣痛により子宮の筋肉が収縮するときに生じる痛みが生じ、赤ちゃんが降りてくると骨盤が広がり腰が痛くなり、最後は腸が押され膣や会陰を広げながら出てくるため、便意を催すような痛みへと変わり生まれてきます。この痛みが1〜2時間のスピード出産の方もいれば30〜40時間など時間がかかってしまう場合もあります。

・最初は不規則(前駆陣痛)で鈍い下腹部痛(生理痛様)から、規則的(陣痛)な痛み痛みがどんどん強く激しくなっていく

・何度も何度もやってくる痛み、終わり見えない

・腰が砕けそう

・下痢を我慢している感覚、お腹を下している感覚

子宮口が全部開くまではいきむことが出来ないため、呼吸法や産痛緩和法などを行いながら痛みを逃していきます。

出産にかかる時間は出産が進んで生まれてくるまで正直わかりません。

医師や助産師としてある程度予測することは出来ますが、

途中で陣痛が弱くなったりして進みがゆっくりになることもあれば、

急激に出産が進んで早くなることもあるからです。

出産にかかる時間はかなり個人差があります。

そのため、出産の痛みに長く耐えられる自信がない方は、

無痛分娩を選択することで安心して過ごすことができるかもしれません。

無痛分娩の合併症のリスクと副作用

①微弱陣痛

麻酔を使用すると、痛みが和らぐとともに陣痛が弱くなることがあります。陣痛が弱くなってしまうと、出産の進みがゆっくりになったり止まったりするため、陣痛促進剤を使用しなければならなかったり、吸引分娩や鉗子分娩などで赤ちゃんを引っ張り出す必要が出てくる場合があります。

中には、微弱陣痛となった場合に麻酔の入る量を少なくしたり、麻酔を途中で中断し、出産が進んでくるまで麻酔を使用しない施設もあります。

出産が全然進まなくなってしまった場合は、分娩停止という診断となり緊急帝王切開になることがあります。

②発熱

麻酔を長時間使用していると、お母さん38℃以上の発熱する場合があります。その場合、感染などと鑑別するために採血検査をしたり、頭や腋窩を冷やしたり、解熱剤の使用や点滴で水分補給をする場合があります。殆どの場合は自然に軽快して行きます。

③痒み

麻酔薬に入っている鎮痛剤による副作用です。我慢できる程度であることがほとんどです。

④麻酔のチューブが途中で抜けてしまったり、麻酔が途中で効きにくくなる場合がある

体を動かしたり、出産が進んでいく途中で、挿入したカテーテルの位置がずれてしまったり、抜けてしまったりすることがあります。このカテーテルの位置のずれや抜けにより、麻酔の効き具合が変わってしまうことがあります。

感覚としては、麻酔薬を入れてもらっているのに痛みが持続する・増強する、左右の片方だけのお腹や腰に痛みが残るなどの症状が出てくることがあります。

その場合は、麻酔科や産婦人科医師がカテーテルの位置を調整したり、カテーテルを入れ直しすることがあります。

⑤腰背部や足の痛み、痺れ

無痛分娩で使用するカテーテルを挿入するときに、針を刺すため痛みが生じることがあります。また、カテーテルが入っている違和感も残ることがあります。強い痛みや痛みが増強してくる場合は、カテーテルを挿入した場所に血腫(血の塊)が出来ている可能性があるため、医師や助産師に声をかけましょう。

また、カテーテルが深く入りすぎていると、直接神経に触れてしまい、足に電気が走るような痛みや痺れで、動かしにくくなり場合があります。この場合はカテーテルを引き抜いてもらったり、入れ直しをする必要があります。

麻酔薬を入れている最中は、麻酔の効果により足がポカポカする感覚や星座をした後のような痺れ、力を入れにくいなどがありますが、これは麻酔がしっかり効いている証拠なため問題ありません。

数万人に1人程度の確率で、痛みや痺れが1ヶ月程度続くことがありますが通常は治っていきます。

⑥血圧低下

背中の神経には血圧を調整する神経が含まれています。

無痛分娩で使用する麻酔薬を入れることで、血圧を調整する神経にも作用してしまい、血管が広がりやすくなり、血圧が低下することがあります。

通常は水分の点滴を早めたり、体勢を変えることで良くなることがありますが、お母さんの気分が悪くなったり、赤ちゃんが苦しくなったりする場合があるため、血圧がなかなか上がらない場合は、血圧を上げる薬(エフェドリン)を使用することがあります。

そのため、無痛分娩の際はこまめに血圧測定が行われます。

⑦局所麻酔中毒

麻酔薬を入れている硬膜外腔にはたくさんの血管があります。そのため、硬膜外腔に麻酔薬を入れているはずが、血管内に入ってしまう場合があります。

麻酔薬が血管内に入ってしまったり、麻酔薬の量が多すぎる場合、耳鳴りや舌の痺れ・金属のような味がするなどの症状が出てくることがあります。

血液中の麻酔薬の濃度が高くなると、痙攣・不整脈・心停止などが生じる場合があります。

このようなことが起きないように十分に注意をして行っていますが、もしも発生した場合は、麻酔を中断し、局所麻酔中毒に対する治療や、人工呼吸など適切な処置が行われます。

⑧全脊髄くも膜下腔麻酔

カテーテルを入れている最中や、出産の経過中に、硬膜外腔に入れたカテーテルが脊髄くも膜下腔という場所に入ってしまう事があります。硬膜外腔に入れるはずの麻酔薬が脊髄くも膜下腔に入ってしまうと、麻酔の効果が急速に現れたり、血圧が低下する可能性があります。重症になると、呼吸ができなくなったり、意識を失う可能性があります。このような事がないように十分注意をして行っていますが、脊髄くも膜下腔麻酔が生じてしまった場合は、呼吸や意識の変化に対する適切な処置が行われます。

脊髄くも膜下腔麻酔は帝王切開で行われる麻酔の方法です。下半身麻酔とも言われていますが、お腹から下の痛みがなくなり、足の力も入らなくなるような麻酔です。無痛分娩で行ってしまうと、いきみができなくなり、赤ちゃんが上手く出てこれなくなるリスクがあります。また、出産が急速に進み、硬膜外麻酔の効果を待っている時間がないときなどは、特例で行う場合があります。

⑨頭痛

約100人に1人程度の確率で、麻酔のカテーテルを入れる際に硬膜に傷がつき、頭痛が生じてしまうことがあります。

硬膜に穴が開き、その穴から脳脊髄液(脊髄を満たしている液体)が硬膜外腔に漏れてしまうことにより生じていると言われており、頭や首に痛みが生じたり、吐き気が出たりする事があります。

産後2日目までに生じ、体を起こすと症状が強くなり、横になると良くなる事があります。

通常は安静と痛み止めを使用し治療します。

頭痛や吐き気が軽くならない場合や物が二重に見えるなどの症状がある場合は、硬膜外血液パッチという治療で傷ついた硬膜をご本人の血液でふさぐような方法を行うことがあります。

⑩神経障害

出産中の特殊な姿勢や赤ちゃんの頭の圧迫により、足の痺れや感覚麻痺、排尿障害(尿意が乏しい・尿を出しにくい・尿もれ)などが生じる場合があります。無痛分娩をしなくても出産の後に生じることがあります。

数日〜数週間で良くなることがほとんどですが、よくならない場合は医師に相談しましょう。

排尿障害は、出産中の赤ちゃんの頭の圧迫だけでなく、妊娠・出産で生じた骨盤底筋群(骨盤周囲の筋肉)の緩みによっても生じることがあります。その場合は、骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操を行うと良くなることが多くあります。

ケーゲル体操

膣・肛門にお通じをする方向と反対方向に引っ込めるように力を入れます。

力を入れたまま3秒キープし力をゆっくり緩めます。

はじめは横になった姿勢、その後座った姿勢や立った姿勢でも行います。

1セット25回を1日4回(朝・昼・晩・寝る前)などに行ってみましょう。

筋トレのため、筋肉がつけば症状は良くなります。平均で3ヶ月程度はかかると言われています。

様々な副作用やリスクがありますが、

私が数多くの方を見てきた中では、微弱陣痛や発熱・痒み・血圧低下の頻度は多く見られますが、

それ以外は非常に稀でした。

合併症や副作用は100%起きないという訳ではありませんが、

稀に起きることがあるんだという考えを頭に片隅に入れておく程度でいいのではないかと思います。

無痛分娩で生まれた赤ちゃん

無痛分娩で生まれてくる赤ちゃんは元気なことがほとんどです。

しかし、出産施設によっては痛みを取るための麻酔が濃いことがあり、赤ちゃんがやや眠ったまま出てくることがあり、赤ちゃんがしっかり起きて自分で呼吸できるようになりまで、しばらくの間、呼吸の管理のため保育器に入る必要がある場合があります。

また、無痛分娩は赤ちゃんが降りてくるのに時間がかかるケースが多いため、

吸引分娩や鉗子分娩となる場合があります。

赤ちゃんの頭を専用の器械を使用して引っ張り出すため、頭が伸びてしまったり、頭血腫といいい、頭にコブができることがあります。

頭の伸びやコブは数日〜数週間で良くなることが多いです。

頭血腫は、コブが吸収していく過程でビリルビンという老廃物が出てきます。赤ちゃんは排泄能力が未熟なため体に蓄積しやすくなり、黄疸として出現する場合があります。その場合は黄疸の治療が必要となることがあります。

しっかり治療すれば数日で良くなり通常通りに過ごすことが出来ます。

その他に、無痛分娩中に陣痛のストレスなどにより赤ちゃんが具合悪くなってしまう場合があります(通常の出産と変わらない頻度)。

その場合は緊急帝王切開や吸引分娩・鉗子分娩で早く出産することがありますが、それでも元気がない場合はしばらく保育器やNICUに入院する場合があります。

重度の新生児仮死にならなければ、問題とならないことが多いです。(通常の出産でも生じる場合があります)

無痛分娩で出産した方の実際の感想

私が実際に聞いてきた感想を一部ご紹介します!!!

・本当に痛みがなくて、赤ちゃんがスルッと出てくる感覚を感じながら、落ち着いて出産できてよかった。

・家族やスタッフの方々とお話ししながら出産できて楽しい思い出になった。

・産後の疲れが全然なくて、幸せな時間を過ごすことができた。

・出産って辛いイメージだったけど、これなら何人でも産めそうです!

・1人目が自然分娩だったので、2人目無痛分娩でこんなにも違うものだと実感した。最初から無痛分娩を選択しておけばよかった。すごく満足な出産だった。

しかし、無痛分娩のデメリットが生じる、麻酔がうまく効かない場合、緊急帝王切開となる場合もあり・・・

・出産が速すぎて、あんまり麻酔が効かないまま出産になってしまった。

・完全に無痛分娩だと思っていたのに麻酔が途中で切れて痛かった。

・こんなに何度もいきむと思わなかった

・結局帝王切開になって術後痛かった

など、少数派ではありますががこんな意見もありました。

出産の過程はそれぞれ違うので、無痛分娩が上手くいく人もいれば、デメリットにあるようなトラブルや困難が生じるケースもあります。

無痛分娩を選択する際は、しっかりデメリットも起こりうることを頭に入れておく必要がありますね。

無痛分娩にかかる費用

日本で行われる無痛分娩は保険適応はなく完全自己負担となります。

麻酔科医師による硬膜外カテーテルを入れる処置の費用や麻酔薬代などにより、

値段設定が低い施設では5万円平均的には10〜20万円が分娩費用に上乗せとなります。

また、24時間無痛分娩が可能な場合は夜間費用もかかる場合があります。

無痛分娩の費用が気になる場合は、出産施設の費用もしっかり確認しておきましょう。

無痛分娩で出産するには?

無痛分娩を実施している出産施設で出産する必要があります。

その場合、あらかじめ無痛分娩で出産できる施設を検索し、受診しておく必要があります。

人気の施設は妊娠初期の時点で予約でいっぱいのケースもあります。

また、まだまだ日本の無痛分娩普及率は少ないため、日中のみ無痛分娩が可能な施設は増えてきていますが、

24時間いつでも無痛分娩が可能な施設はかなり少ない印象です。

また無痛分娩ができる施設は首都圏や都会に集中し、地方で行っているところははかなり稀です。

そのため、最初から無痛分娩がいい方は、妊娠した時点で出産したい施設を決めておくことをお勧めします

出産施設の口コミなども参考にするといいかもしれません。

ここまで無痛分娩のことを詳しくお伝えしてきましたがいかがでしたか?

助産師として無痛分娩で出産している方々を見てきて、

リスクを伴うこともゼロではありませんでしたが、それ以上にいいことも沢山ありました。

出産をいい体験として捉え、赤ちゃんの誕生の喜びと育児のスタートを落ち着いて穏やかに過ごせるのは、とても幸せなことですよね。

無痛分娩を検討している方は、ぜひこの投稿が後押しになればと思います。

MW Yama

MW Yama

現在助産師経験12年目。 BlogやInstagramを中心に妊娠・出産・子育てについての情報をお届けしたり、 ご希望の方に向けてオンラインにて個別にサポートをしております。 安心・穏やかで幸せな妊娠・出産・子育てとなりますよう みなさまのお気持ちを尊重し、愛と優しさを持ってサポートしております。

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